オリンピック後の大不況…2020年、戦略なきアベノミクスの“ツケ”がくる
オリンピックを開催した国のほどんどが不況に陥っている現実
■グローバル化で変化した「給料と景気」
団塊の世代は、給料が右肩上がりに上がっていくという経験をしています。それは2000年以前の話で、日本がまだグローバル化していなかったからです。当時は、景気が良ければ給料が上がり、景気が悪ければ給料が下がり、給料と景気はリンクしていました。
グローバル化する前は「会社は社長と従業員のもの」でした。戦後日本が復興する中で、会社が大きくなったのは、社長と従業員が力を合わせて働いたからです。
けれど、グローバル化して欧米の経営方式が導入される中で「会社は株主のもの」という欧米の認識に変わりました。この結果、「従業員は会社のコストの一部」になってしまいました。
景気が良くても、儲けは株主配当や会社の内部留保に回されて給料は上がらず、景気が悪くなれば、給料を下げたりリストラしたりといったコストカットが行われるのです。
こうした状況の中、安倍政権になってからは特に企業優先の政治色が強まりました。企業の貯金ともいえる内部留保は、安部政権になってから約150兆円も増えています。
安倍政権は、企業にとっては儲けさせてくれる政権かもしれませんが、働く人のほとんどは景気が良くなったという実感など持てるわけがないのです。この点をまず理解しておくことが重要です。
(『安倍政権は消費税を上げられない』より構成)